【オステオパシー】風邪・インフルエンザの予防にも効果的なオステオパシー

乾燥した寒い日が続き、今年もインフルエンザのいやな時期がやってきました。

インフルエンザの予防には、通常、マスクや手洗い・うがい、予防接種などがあります。感染発症してからは薬剤投与などによりウイルスの増殖を減らし五日ほどの安静が一般的だと思います。

今回ご紹介する、アメリカ発祥の整体手技療法のオステオパシーもインフルエンザや風邪などのウイルス感染の予防や症状の緩和に効果が期待できます。今回は、なぜオステオパシー手技療法が効果的なのか説明していきます。

  慢性的な風邪やインフルエンザ感染は免疫力低下のサイン

インフルエンザ感染は、乾燥した寒い時期、幼児や高齢者に多く、大人でも感染しやすい人と感染しづらい人がいます。

この差は、自己免疫力の高さです。インフルエンザウイルスは、飛沫や接触を介して粘膜に付着し、細胞に侵入し増殖していきます。その際、身体の自己防衛力の力・恒常性維持(ホメオスタシス)により免疫系が発動し、ウイルスを死滅させ感染・症状発症を防いでくれます。

この自己防衛力が何らかの原因により弱まった時にウイルスが感染・増殖し、症状を発症させます。逆に言えば自己防衛力・免疫力が高い状態では感染しないのです。

オステオパシー手技療法は、身体が本来持っている治癒力・自己防衛力を高めるためにおこないます。その結果、痛みの改善や不調の緩和につながりますが、あくまで治癒させたのは自分の身体であり、自分自身の治癒力です。

  インフルエンザに対してのオステオパシー手技療法の有効性

インフルエンザは、世界中でたびたび流行しており多くの方が感染・発症しています。今から100年ほど前の1918年ー1919年に世界的に流行したスペイン風邪(インフルエンザ)は、感染者が5億人、死者は5000万~1億人と言われています。

この1918年に、アメリカでインフルエンザ患者10万人を対象に研究調査がおこなわれました。オステオパシーの手技療法を受けた患者の総死亡率は0.25%、肺炎を併発した患者の死亡率は10%であると報告。オステオパシー手技療法を受けずに薬物療法のみでは、総死亡率は5%、肺炎併発で30~60%であると報告されています。

ただしこれは、あくまで研究調査であり、調査が100年以上も前のもので、二重盲検やプラセボなどを含めた精度のある臨床試験ではないため、完全に科学的に証明されたわけではありませんが、価値のある研究調査であることに変わりはありません。実際の新聞記事があり、これを契機にアメリカではオステオパシーが広まりました

  オステオパシーによるアプローチとは

  免疫の要・リンパ循環の通路の開放とリンパポンプ

ウイルスなどが体内に侵入した際、リンパ節内の免疫細胞が攻撃し死滅させ、老廃物をろ過しリンパ液を静脈へと運んでいきます。

リンパ管は、筋肉のハリやコリ、筋膜の歪み、関節の動きにより通路が妨害され、リンパ液の循環が損なわれると免疫力が低下してしまうため、オステオパシー手技により、リンパの通路を開放していきます。

また、一時的にリンパ循環を高めるためにリンパポンプを行います。

  呼吸機能の改善

スムーズな呼吸の力が損なわれると、血液・酸素循環に影響を及ぼし、体温の低下や横隔膜の動きによるリンパポンプ作用を失います。オステオパシー手技では主に、横隔膜・肋骨・胸椎・胸骨の動きを改善させ、不要な交感神経の興奮を抑え、血液循環や呼吸機能を改善させていきます。

   自律神経の調整

頸部の歪みや頭蓋骨から生じる交感神経の興奮を抑え、副交感神経を優位にして、気道内の粘膜の状態を正常に保ちます。

風邪やインフルエンザなどのウイルスは、飛沫や接触などを介し粘膜に付着します。この時、免疫が低下し粘膜が乾燥しているとウイルスの増殖を促すことになります。

また「ネーザルサイクル」という鼻腔の働きを正常にするために前頭骨と鼻骨を調整することもあります

 まとめ

オステオパシー手技は、筋肉や関節の痛みや不調だけでなく、風邪やインフルエンザなどその効果は多岐にわたります。アメリカをはじめ今でも研究と開発がおこなわれています。科学的に証明されたものも多く、薬剤と違い副作用もなく、自分の治癒力を高めることで、様々な疾患の予防・改善に効果が期待できます。ぜひ一度お近くのオステオパシー専門院にご相談されてみてはいかがですか?

*現在、日本においてオステオパシーは医療機関ではないため、インフルエンザや風邪における重篤な症状、手足のしびれを伴うものなどは、必ず医療機関を受診の上、オステオパシー施術者にご相談ください。またオステオパシーは、施術者により手技内容が異なります。受診前や施術中にしっかりとコミュニケーションをとり信頼のおける施術者を見つけてください。

参照

http://jaoa.org/article.aspx?articleid=2093631       

https://sciencebasedmedicine.org/pump-it-up-osteopathic-manipulation-and-influenza/

http://jaoa.org/article.aspx?articleid=2094647

https://www.slideshare.net/PaulaChmielewski/the-osteopathic-approach-to-the-flu-pandemic

全身の機能障害におけるオステオパシー的解析法

臨床におけるオステオパシーの原則

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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