なにかと座って行う仕事が多い現代社会。足で稼ぐ時代から、頭脳とパソコンで稼ぐ時代に変化して、身体に起こる異変と疾患も変わってきました。
今回紹介するのは、2014年のワシントンポスト紙に挙げられた四人の専門家による座り続けることにより起こる身体の異変についてです。
今後も座る仕事は増え続け、以下の疾患も増え続けるでしょう。少しでも当てはまる人は、座る時間を工夫して、予防してみてください。
参照元 http://www.washingtonpost.com/wp-srv/special/health/sitting/Sitting.pdf
座ることで起こると予想される病気
臓器のダメージ
心臓への負担: 長時間の座位は、血液循環の遅らせ、筋による脂肪の燃焼作用の低下を招きます。高血圧やコレステロールの上昇にも関連しており、長時間座っている人の心疾患率は二倍にもなっています。
インスリンの過剰生産:インスリンの過剰生産は糖尿病やその他の疾患への引き金になりえます
大腸がん:研究によると大腸がん・乳がん・子宮内膜がんのリスク上昇に関与が疑われます。理由は明白ではないがインスリンの過剰生産が細胞増殖を手助けしているという説があります。
筋肉の変化
弱化した腹部の筋肉:腹部の筋の低下や腸腰筋の拘縮を招き、正常な背骨のカーブを保てなくなります。結果、肩こり・腰痛・頭痛・冷えなど、身体に様々な不調をもたらします。
タイトヒップ:臀部の深層の筋は、長時間の座位により虚血状態になり拘縮します。これにより、坐骨神経痛や股関節の可動域が狭まることによる、歩行時の転倒や運動パフォーマンスの低下につながります
弱弱しい殿筋:大殿筋の弱化は歩幅の減少や、ハムストリングスの過剰使用や骨盤の後傾を招き、姿勢の悪化につながります。
頭部・頸部・肩の問題
朦朧とした脳:長時間の座位により、血液循環の低下、酸素供給の不足により、脳の伝達物質の放出を阻害します
ストレートネック:長時間のパソコン作業、携帯電話操作は下を見ることによる頸椎の湾曲をなくし、ストレートネックを招きます。結果、頸椎ヘルニアや頚椎症を引き起こします。
肩と背中の痛み:肩が前方へ丸まり、顎が上がる姿勢で長時間過ごすと背中の筋群の緊張と頸部・肩にかかわる筋の緊張を招き、痛みにつながります。
背部の問題
柔軟性を欠いた背骨:背骨の硬化は、腰痛・肩こりをはじめ、内臓の不調や自律神経のバランスも崩します。
椎間円板の損傷:長時間の不良姿勢の座位により椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
脚部の障害
足部への血行障害:長時間の座位は、鼠径部・膝窩を圧迫し血液循環を阻害し、血栓を作りやすくします。
骨の軟化:骨は刺激を与えないと増えません。座位時間の増加は運動時間の低下につながり骨への刺激も減ります。骨粗鬆症のリスクが高まります。
予防と対策
上記に起こり得る病気や症状はすぐに起こるものではありませんが、大げさではなく長い年月をかけて着実に身体を蝕んでいき気づいたときには症状が進行しています。
長時間座らなければならない場合は、記事の下段にある、正しい座りかたを実践しましょう。絵を見ただけでは実際に正しく座れているのかわからないと思います、そんな時はお近くのオステオパシー専門院に相談しましょう。
できる限り、長時間の座位を避けるため、TVの時はコマーシャルのときには立ち上がる。仕事時は、30分、難しい場合は一時間に一度は立ち上がるか、トイレに行き簡単にストレッチをしましょう。それもできない方は、寝起きや寝る前にヨガのポーズ(簡単なもの)を行いましょう。必ず一日に一度は背骨と股関節を動かし、予防しましょう。